音と音の間

10/8武満徹 80歳バースデー・コンサートへいった。

音に気持ちが素直に向かう素敵なコンサートでした。

絵本にでてきそうな指揮者オリヴァー・ナッセンは樽のようなお腹,大きな身体で歩くのも大変そう。けれどもけれども,音楽を味わいながら動くタクトの動きは繊細で,腕と顔でジェスチャーのような自然な指揮をする。自分に向ってハイと腕を振られたら私もなんか音楽の演奏に参加してしまいそう。

今回のコンサートで特に聞きたかったピーター・ゼルキンのピアノも

大切に弾かれる一音一音がきらきらと響いてきました。その佇まいがとても好き。

曲の最後の音では,じっくりとおしまいを探す。ヴァイオリン奏者なんかも楽器に弓を構えて次の音を奏でそうだし,音と音の間で時が止まってしまったんじゃないかと不思議な感覚にとらわれてしまった。

 

4年前「武満徹/Visions in Time」展覧会場で,ルドンの絵にインスパイアされて武満徹が作った曲を実際ルドンの絵を観ながらヘッドフォンで聴き,形があるようなないような色味が絵の中で動き出すような感じで,今までにない絵画の鑑賞ができて,じわりと感動。その曲を演奏していたのがピーター・ゼルキンなのでした。